特集 SDGsへの取り組み
SDGsへの取り組み
TOPPANエッジおよび子会社は、その強みを活かした「事業活動」と「企業基盤」における重要課題を特定し、2030年のSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)の確実な実現に向けて取り組んでいます。
特に「情報」に関連する知見や技術、ノウハウを活かすことで、情報化社会におけるインフラの一端を担う企業としての貢献を目指しています。
社会課題を解決するために貢献する主なSDGsの目標
本業を活かした社会課題の解決
ビジネスの現場はもとより、人と人のコミュニケーションは、言葉をはじめとした「情報」のやりとりがあってこそ成立します。
TOPPANエッジはこれまで、そうした「情報」を伝達するさまざまな手段を生み出し、「情報」を核とした事業を展開することで成長してきました。得意とするのは「確実に、伝わるように情報を届けること」で、これまで帳票をはじめとする製品やデジタル系のサービスなど、多彩な情報伝達手段を生み出してきました。
盤石な情報セキュリティ体制のもとで行うアウトソーシングビジネス、最新技術を活用した得意先の生産性向上に寄与するソリューション、生活者に寄り添い、その利便性向上を生み出すプラットフォームビジネスなど、事業活動を通じて社会課題の解決に取り組んでいきます。
安全・安心なデジタル社会の実現
企業と生活者との橋渡し役として、デジタル技術の活用と盤石なセキュリティ体制を基軸とし、
利便性を高めるプラットフォームやデジタル格差解消に役立つソリューションを提供します。
情報を伝えるツールは、社会の変革に伴い、言葉や印刷物だけでなく、音声や画像、さらには動画などさまざまなデジタルデータまで広がりました。こうした変革とともに顕在化してきた多くの課題や弱点を克服し、「必要な人に確実に情報を届ける」ことが、重要な役割だと考えています。紙・デジタル双方の利点を活かし、一人ひとりに確実に重要な情報を届けることで、デジタル社会が進んでも誰も取り残さない、デジタル格差解消に寄与できると考えています。
そして社会に深く浸透しているツールを活用することで、デジタルをより身近にし、生活者の暮らしの利便性向上を実現するプラットフォームなど、新たなビジネス創出にも取り組んでいます。
事例【共通手続きプラットフォーム AIRPOST】
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急速にデジタル化が進む現在でも、生活の中にはまだまだ煩雑で面倒な手続きがあふれています。「AIRPOST」は、金融や行政における事務手続きを簡素化し、簡単便利に変える共通手続きプラットフォームです。将来はデジタル技術で人々の暮らしを便利に変え、暮らしに深く浸透するサービスに育てていきたいと考えています。
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<主に関連するSDGs>
ヘルスケア・医療分野での課題解決
センシングなど自社技術を活かし、該当分野の課題解決に資するサービスの創出、既存ソリューションの拡大を推進します。
現在、医療現場では、人手不足や医療過誤の防止、医薬品・医療関連部品の厳格な管理など、さまざまな課題を抱えています。TOPPANエッジは医療現場の安全性確保や負担軽減に役立つよう、RFID※を活用した病院内での投薬や人・薬剤の動態管理、医療材料の管理システムなど、用途に応じたシステム構築やソリューション開発・提供を行ってきました。
RFID※で培った技術を活かし、温度ロガーと高機能保冷剤を組み合わせた温度管理サービス(GDP※対応)、ウェアラブルデバイスを活用したヘルスケアIoTサービス「わたしの温度」(2020年度事業化)など、自社開発の技術を活用したサービスを世に送り出しました。今後も自社開発技術を活用し、医療やヘルスケア領域での課題解決に向けて、ソリューションの開発を進めていきます。
- ※RFID(Radio Frequency Identification):近距離無線通信を利用した自動認識技術
- ※GDP(Good Distribution Practice):薬品の適正流通基準
事例【医療・医薬向けRFIDソリューション】
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医療現場の最前線で働く人々は、効率化や医療過誤を防止する努力を重ねながら、日々、安全・安心な環境の構築を目指しています。そうした環境を改善するために、病院向けの薬剤管理や動態管理(人、モノ)、検品業務の効率化、医療機器メーカー向けの入出荷管理といった医療従事者の負担軽減につながるソリューションを市場に投入してきました。RFIDをキーデバイスとしたこの分野での新たなソリューションの創出に、今後も取り組んでいきます。
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<主に関連するSDGs>
持続的な成長につなげる企業活動
当社および子会社は事業を支える活動においても、SDGsへの貢献に取り組んでいます。
「情報」を取り扱う企業として必須である情報セキュリティ・サイバーセキュリティ体制の強化、情報化社会におけるインフラの一端を担う企業として重要な事業継続計画の実効性向上、そして社会の一員であることはもちろん、モノやサービスを創り提供する企業であることから、脱炭素や廃棄物の削減といった環境保全にも取り組んでいます。
そして従業員に対する健康と安全の確保、一人ひとりの柔軟な働き方実現を目指すダイバーシティ経営の推進や、地域社会との協働など、企業市民としての役割を全うするとともに、社会や会社の持続的な成長につなげる施策を実行していきます。
カーボンニュートラルの達成
カーボンニュートラルによる脱炭素社会の実現を目指し、目標達成に向けた活動を確実に推進します。
18世紀半ばの産業革命以降、化石燃料の大量消費によりCO2などの温室効果ガスが増加し、世界平均気温が1℃上昇する地球温暖化が進みました。世界中で気候変動による異常気象が多発するなど、地球温暖化は今、すべての国が取り組むべき喫緊の課題となっています。
2021年10月に英国で開催された国連気候変動枠組条約締結国会議(COP26)には、日本を含む130ヵ国以上の首脳が参加。21世紀半ばのカーボンニュートラルを求めること、また通過点である2030年に向けた野心的な気候変動対策を求めることを決定しました。日本も2020年10月に政府が「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするカーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」ことを宣言し、包括的な実施計画「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を策定しています。
地球環境の保全が全世界の重要課題であると認識するTOPPANエッジおよび子会社にとっても、カーボンニュートラルによる脱炭素社会の実現は極めて重要な課題です。生産拠点を構えて各種通知物などの製品を製造・配送する私たちは、以前から製造工程の簡素化、LEDなど省エネタイプの設備への更新、再生エネルギーの導入など、事業プロセスにおける温室効果ガス排出量の削減を確実に推進してきました。
Scope1(事業者自らの燃料使用などによる温室効果ガスの直接排出)、Scope2(他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出)に加え、2013年にはScope3(サプライチェーンを含む事業活動によるその他の間接排出)を算定し、環境負荷低減活動を積極的に推進しています。
2020年には、温室効果ガス排出量の2030年削減目標を公表。2023年には目標を上方修正し、①Scope1+2 2017年度比54.6%削減(うち再生可能エネルギー比率6.5%)②Scope3 2017年度比54.6%削減、という2030年度中期環境目標を設定しました。
中期環境目標の初年度である2020年度は、温室効果ガス排出量削減の単年度目標2019年度比1.2%に対し、6.8%削減を実現するなど、目標を大幅に上回る成果をあげています。
さらに長期目標として、「TOPPANグループ環境ビジョン2050」に則り、脱炭素社会への貢献として「温室効果ガス排出量の実質ゼロ(Scope1+2)」の達成を目指し、さまざまな施策を推進しています。
事例【太陽光パネルの設置】
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生産事業所では、これまで温度など設備の適正管理、印刷や印字など生産工程の効率化による温室効果ガス排出量削減や、敷地内緑化、雨水利用システム導入など、さまざまな環境保全活動に取り組んできました。
特に温室効果ガス排出量削減については、省エネ設備への更新と、太陽光パネル設置による再生可能エネルギー導入促進を中心に、2030年度目標達成に向け、取り組みを進めています。太陽光パネル設置事業所(2023年3月末時点)
- TOPPANエッジ株式会社:日野センター
- トッパン・フォームズ・セントラルプロダクツ株式会社:滝山工場、福生工場
- トッパン・フォームズ東海株式会社:袋井工場
- TOPPANエッジ(香港)社:Wang Lok工場
- トッパン・フォームズ関西株式会社:大阪桜井工場
- ※生産拠点を中心に今後も順次設置予定。
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<主に関連するSDGs>
事例【TOPPANエッジ・サービス西日本流通センターが環境省「ZEB Ready(ゼブ・レディ)認証」を取得】
物流部門では、TOPPANエッジ・サービス西日本流通センターが、2023年8月に「ZEB Ready(ゼブ・レディ)認証」を取得しました。同流通センターの事務所建屋を、①建物の外皮(窓、壁など)の高断熱化、自然採光 ②高効率空調など省エネ設備の導入 などにより、「一次エネルギー※1消費量を省エネ基準である50%以上削減する」という同認証の基準をクリア。先進的な環境性能を備えるだけでなく、室内環境の快適性もしっかりと担保した建物に仕上げることで、将来のZEB※2化も視野に入れた、高い環境性能を持った建物としました。- ※1一次エネルギー
自然から採取されたままの物質を源としたエネルギー。石油、石炭、天然ガス、原子力 など - ※2ZEB(Net Zero Energy Building)
快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する一次エネルギーの年間収支をゼロにすることを目指した建物
多様な人財が活躍する土壌づくり
多様な働き方を受容し成果の最大化を図ることで、誰もが働きがいを持ち活躍できる職場環境づくりを目指します。
組織の活性化やイノベーションの促進など、企業の成長や活力の源泉として、一人ひとりの柔軟な働き方の実現を目指す「ダイバーシティ経営」の重要性がますます高まっています。
TOPPANエッジのダイバーシティ推進のスタートは2007年に遡ります。「そもそも女性活躍の場が限られている」との問題意識から、当時「ES(従業員満足)推進」の一環として女性活躍推進の取り組みに着手しました。その後、2011年に当時の総務部門のトップ自ら経営層の意思統一を図り、「ダイバーシティ&インクルージョン」を経営課題の柱の一つと明確に位置づけ、女性の管理職を増やすことを目標に、女性管理職層育成研修を開始しました。得意先からの多様なニーズに対して柔軟な発想・新しいアイデアが求められていたことから、女性をはじめとした多様な人財の活用が企業経営において重要になると考えたからです。
現在も一人ひとりが持つ多様性を尊重し、相乗効果によって成果の最大化を図り、社会に評価される企業として持続的な成長を目指しています。
【多様な働き方の推進】
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私たちは、女性の活躍推進や男性のワーク・ライフ・バランス、テレワークの推進、障がい者の活躍促進など、多種多様な人財が働きがいをもって仕事に取り組むことができる環境整備に努めてきました。特に女性活躍推進にはいち早く取り組み、育児休業制度の拡充、女性管理職比率の向上など数々の施策を講じており、その活動は「なでしこ銘柄」に7回選定されるなど、社会から高い評価をいただいてきました。同時に進めてきた男性のワーク・ライフ・バランス推進においては、育児休業取得推進のため、制度の周知や配偶者妊娠申告体制の構築、個別の三者面談を実施しています。4週間以上の育児休業取得率を30%以上とすることを目標に、これからも継続して取り組んでいきます。
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<主に関連するSDGs>