環境活動

基本的な考え方

カーボンニュートラルによる脱炭素社会の実現を目指し、中長期計画に掲げた目標達成に向け活動を推進します。
限られた資源を大切にし、有効に活用するとともに、使用量、廃棄量の削減やマテリアルリサイクル率向上に取り組むなど、サーキュラーエコノミーの実現に貢献します。

環境パフォーマンス

2022年度の事業活動における環境負荷

INPUT

項目 主な内容 環境負荷(全体)
INPUT 原材料(t) 総投入量 77,651
75,455
インキ・溶剤 1,125
プラスチック 816
ガラス 0
その他 254
エネルギー(千GJ)※1 総使用量 1,596
燃料 145
電気・蒸気 1,451
水(千m³) 総使用量 172
工業用水 26
上水道 119
地下水 18
利用雨水 8
循環利用分 1
化学物質(t)※2 RPTR対象化学物質取扱量 3

OUTPUT

項目 主な内容 環境負荷(全体)
OUTPUT 大気 二酸化炭素排出量(t-CO2※3 69,709
Scope1 7,612
Scope2 62,096
PRTR対象化学物質排出量(t)※2 1
土壌、水域 総排水量(千m³) 139
公共用水域(千m³) 49
下水道(千m³) 90
BOD負荷量(kg) 3,249
COD負荷量(kg) 1,459
窒素排出量(kg) 963
燐排出量(kg) 97
RPTR対象化学物質排出量※2 0
廃棄物(t) 総排出量※4 21,380
リサイクル量 21,209
最終埋立量 59.4
  • ※1
    燃料・電気使用に伴うエネルギーの使用量は「エネルギ―の使用の合理化等に関する法律」の係数を使用して算定
  • ※2
    関係会社含む国内事業所のみ集計
  • ※3
    二酸化炭素排出量は「特定排出者の事業活動に伴う温室効果ガスの排出量の査定に関する省令」に基づき調整後排出係数で算定
    ただし、海外事業所は現地電力会社公表の最新係数に基づき算出
  • ※4
    廃棄物総排出量には事業活動に伴って発生し、不要となった産業廃棄物のほか、資源として有償譲渡したものを含みます

脱炭素への取り組み

地球温暖化防止のため、温室効果ガス(GHG)排出量の削減に取り組んでいます。

温室効果ガスの排出量は、自社の事業活動だけではなく、サプライチェーン全体を含めて把握し削減策を講じることが必須になっています。TOPPANエッジおよび子会社は、Scope1(事業者自らの燃料使用などによる温室効果ガスの直接排出)、Scope2(他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出)に加え、2013年度からScope3(サプライチェーンを含む事業活動によるその他の間接排出)を算定し、環境負荷低減活動を積極的に推進しています。

また、生産事業所のうち製造部門では温室効果ガス(GHG)排出量の削減対策として、省エネ設備の導入、温度など設備の適正管理、印刷や印字など生産工程の効率化などを実施しエネルギー使用量を削減しています。また、小集団改善活動とトップダウンで推進する5S活動を両輪とし、生産効率の向上や損紙低減活動などの推進によりエネルギー使用量削減や省資源化につなげています。

【エネルギー使用量の推移※1

2017 2020 2021 2022
使用量(千GJ) 1,816 1,668 1,635 1,596

【CO2排出量の推移※2

2017 2020 2021 2022
使用量(t-CO2 95,620 75,376 71,624 69,709

【Scope3の温室効果ガス排出量※3

2017 2020 2021 2022
カテゴリー1(t-CO2 174,959 151,526 142,626 139,605
カテゴリー2(t-CO2 14,978 12,595 12,119 12,642
カテゴリー3(t-CO2 10,136 9,032 8,854 8,436
カテゴリー4(t-CO2 12,803 11,466 10,768 10,554
カテゴリー5(t-CO2 3,533 3,565 3,562 3,653
カテゴリー7(t-CO2 2,031 2,261 2,193 2,167
カテゴリー9(t-CO2 5,610 5,199 4,881 4,801
カテゴリー12(t-CO2 9,100 8,434 7,918 7,789
  • ※1
    燃料・電力使用に伴うエネルギーの使用量は「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」の係数を使用して算定
  • ※2
    二酸化炭素排出量は「特定排出者の事業活動に伴う温室効果ガスの排出量の算定に関する省令」に基づき調整後排出係数で算定
    ただし、海外事業所の電気使用量に伴う二酸化炭素排出量は電力会社公表の最新排出係数に基づき算定
    TOPPANエッジおよび子会社における温室効果ガス(GHG)排出量はCO2に換算
  • ※3
    Scope3 カテゴリー:Scope1、Scope2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出)
    • カテゴリー1 購入した製品・サービス
    • カテゴリー2 資本財(生産設備の増設)
    • カテゴリー3 Scope1、2に含まれない燃料及びエネルギー活動
    • カテゴリー4 輸送、配送(上流)
    • カテゴリー5 事業から出る廃棄物
    • カテゴリー7 雇用者の通勤
    • カテゴリー9 輸送、配送(下流)
    • カテゴリー12 販売した製品の廃棄

化学物質リスクの抑制

安全安心な製品提供のため、当社および子会社では、化学物質に関する法令や国内外の規制を基にした「原材料含有化学物質管理基準」を定めています。さらに製品についてはガイドラインを策定し、同基準、ガイドラインによる管理を実施しています。
また、製品の開発段階はもとより、購入する原材料等について定期的な調査を行うなど、化学物質の管理にサプライチェーン全体で取り組んでいます。

原材料含有化学物質管理基準(1.3MB)

【PRTR法 第一種指定化学物質の排出量】

2017 2020 2021 2022
排出量(kg) 902 410 425 1,010

【PRTR法 第一種指定化学物質の移動量】

2017 2020 2021 2022
移動量(kg) 4,504 2,414 1,666 1,556

限りある資源の有効活用

当社および子会社は、循環型社会形成のために中長期の環境目標を掲げ、省資源活動、分別の徹底、リサイクルパートナー選定など、廃棄物や最終埋立量の削減、マテリアルリサイクルの仕組み構築、水資源の有効利用などに積極的に取り組んでいます。

廃棄物の削減

当社および子会社が使用する原材料の95%超が紙類であり、排出する廃棄物の約90%を紙くずが占めています。省資源化の重点施策の一つとして、製造時に発生する紙の廃棄物、「損紙」の削減活動を進めています。

製造部門の担当取締役が管轄し、全生産事業所が実施する損紙削減活動は、生産事業所単位、月ごとに進捗管理が行われ、結果は生産事業所参加による情報交換会議で報告されます。有効な施策、例えばIoTの活用で印刷時に発生する損紙を極小化、損紙の削減に大きな効果を上げた事例を全国へと水平展開するなど、年度目標達成に向け推進しています。

また、廃プラスチックのマテリアルリサイクルへの切り替え促進にも取り組んでいます。例えば袋井工場では、製造工程自体に廃プラスチック分別の仕組みを追加、細分化後も従業者が迷わず分別できるシステムを構築。こういった施策により、マテリアルリサイクル率が約16%向上しました。

廃棄物排出量

  • 2022年度実績
    2022年度の廃棄物排出量(総量)
    2021年度比で2.6%(562トン)減少

【廃棄物発生量】

2017 2020 2021 2022
移動量(kg) 23,140 23,339 21,942 21,380

【リサイクル率と最終埋立量の推移】

2017 2020 2021 2022
移動量(kg) 15.5 137.6 69.8 59.4
リサイクル率(%) 99.2 97.9 98.9 99.2

水の最適利用

生産事業所は水道水や工業用水などを使用しており、主に生活用水、空調冷房機や印刷機の冷却用水に活用しています。滝山工場では350トンの貯留槽に雨水をため、トイレ洗浄水や植栽の散水として利用しています。
また、事業所の水回りを順次節水タイプへと切り替えるなど、生産事業所以外でも水の最適利用に取り組んでいます。

  • 「水」に関する達成目標(目標値、施策)は現在検討中です

【取水量の推移】

2017 2020 2021 2022
取水量(m³) 258,955 190,354 186,391 170,715

【環境データ集計範囲 2022年度】

  • TOPPANエッジ株式会社 自社建屋
    • エネルギー使用量、CO2排出量は、営業所を含む全事業所
  • 子会社(国内外)

    トッパン・フォームズ・セントラルプロダクツ株式会社、トッパン・フォームズ東海株式会社、トッパン・フォームズ関西株式会社、
    トッパン・フォームズ西日本株式会社、北海道トッパン・フォームズ株式会社、沖縄ビジネスフォーム株式会社、
    TOPPANエッジ・サービス株式会社 自社建屋、株式会社トスコ 自社建屋、TOPPANエッジ(香港)社、
    TOPPANエッジ(シンガポール)社

    • ただしScope3、PRTRについては海外3社は含めず
    • エネルギー使用量、CO2排出量(Scope1+2)については、旧トッパンセキュア事業部の生産拠点分を含む

公害防止

公害発生の防止は重要な環境課題であり、最優先に取り組むことでその発生を未然に防止するよう努めています。万が一発生した場合には速やかに対応するとともに再発防止策を講じ、他の類似箇所への水平展開を実施します。各事業所では、法規制値よりも厳しい自主基準値を設定し遵守することで、法令遵守に取り組んでいます。
また、事業所ごとに廃水処理施設を設置し、法に基づく点検により劣化状態の確認や更新を行うなど、水質汚染についても未然防止策を講じています。

生物多様性への取り組み

生物多様性の保全

当社および子会社はFSC®認証紙・PEFC認証紙を使用した商品の開発・販売促進による森林保全や、東京都環境公社、NPOとの協働による里山保全活動などの取り組みを通じて、生物多様性の保全に努めています。

※生物多様性に関する達成目標はこちら

森林認証制度

森林認証制度には、森林管理を認証するFM認証(Forest Management 認証)と、認証林から消費者の手に届くまで、加工・流通過程の全てで不適格な木材と混ざらないように管理するCoC認証(Chain of Custody認証)があります。当社は世界の森林を対象とした森林認証制度であるFSC、PEFCについて、それぞれCoC認証を取得しています。

■FSC(Forest Stewardship Council®:森林管理協議会)
責任ある森林管理のマーク

環境・社会活動に関わる団体、先住民団体、林業に関わる人々、林産物認証機関など、森林管理に関わる利害関係者を代表する組織および個人に開かれた会員制組織

■PEFC(Programme for the Endorsement of Forest Certification Schemes)
持続可能な森林管理の促進

林業に関わる人々、政府、労働組合、環境団体、その他NGOやNPOなど利害関係者の参画に基づき、各国で個別に策定された森林認証制度の審査およびそれら制度間の相互承認を推進する組織

里山保全活動

里山の保全活動の様子

企業・NPO等と行政の連携による自然環境保全活動、「東京グリーンシップ・アクション」に賛同しています。毎年、トッパンフォームズ・セントラルプロダクツ滝山工場にほど近い東京都の里山保全地域で、当社および子会社の従業員とその家族がNPOの指導のもと、倒木や枯れ木の処理、観察路の補修など、里山の保全活動を行っています。
2009年から毎年参加しています。2022年度は規模を縮小し5名で、11月5日に実施しました。

【八王子市戸吹北緑地保全地域】

東京都八王子市北部、戸吹町にある保全地域。
保全方針:コナラ及びクリを主体とする樹林と土壌温度の高い谷戸によって維持されている多様な生態系を保存する

環境を通じたコミュニケーション

環境活動を通して社内外の幅広いステークホルダーとのコミュニケーションを図っています。

地域とのコミュニケーション

事業所周辺地域の清掃活動

全国の各事業所では、従業員による定期的な事業所周辺の清掃活動や、地域住民や団体との連携による河川の美化、清掃活動への積極的な参加により、環境保全に努めています。

地域社会との協働

全国名水百選「離宮の水」保存会(トッパンフォームズ関西 大阪桜井工場)

1985年に大阪府内で唯一、環境庁(現・環境省)の「全国名水百選」に選ばれた「離宮の水」。トッパンフォームズ関西 大阪桜井工場は、工場にほど近いこの名水を、後世に継承・保存する団体「離宮の水保存会」に加盟し、定期的に行われる清掃など、保全活動に参加しています。

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