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インタビュー

目視による温度チェックと手書き記録が不要に。
5分ごとの自動測定とクラウドによる一元管理が実現。

兵庫医科大学病院  臨床研究支援センターの皆さん
兵庫医科大学病院
臨床研究支援センター(CCRED)
兵庫医科大学病院 臨床研究支援センターの皆さん

「オントレイシス クラウド」導入の背景

臨床研究支援における医薬品管理の重要性

1972年に開設された兵庫医科大学病院は、高度先進医療を提供・開発できる設備や能力を持つ、全国でも88施設、兵庫県内では2施設しかない※1国指定の「特定機能病院」のひとつで、41の標榜診療科と963の病床を持つ※2県内最大規模の病院です。


同病院は2014年に臨床研究支援センターを併設しました。同センターでは各種治験や臨床試験、臨床研究などに対して、プロジェクト管理、データ管理、研究運営などさまざまな臨床研究支援を行っています。

兵庫医科大学病院
兵庫医科大学病院

臨床研究支援業務では多種多様な医薬品を取り扱いますが、それらの保管には厳格な温度管理が要求されるものも多く、温度逸脱を防ぐための適切な対策を講じる必要があります。

そこで同センターは2024年、医薬品卸の東邦薬品株式会社(以下「東邦薬品」)を通じて、TOPPANエッジの温度管理ソリューション「オントレイシス クラウド」を導入しました。

臨床研究支援センターにおける薬品温度管理業務の内容や、「オントレイシス クラウド」導入前の課題、そして導入成果はどのようなものだったのでしょうか。

センターの皆さんにお話をうかがいました。

  • ※1 2025年1月1日時点
  • ※2 2024年3月1日時点
導入前の課題はどんなものがありましたか?

4人の「温度係」で1日2回の目視チェックに手間がかかっていました。

豊岡さん センターでの治験や臨床研究で使用する治験薬や治験機器、臨床研究薬の管理も大切な業務です。医薬品には冷蔵保存薬剤、室温保存薬剤、保管温度幅の狭い薬剤などの種類があり、薬剤管理室の16台の治験薬保管庫で温度管理を行っております。以前は4人の「温度係」で分担して、治験薬保管庫の温度計に表示されている数字を始業時と終業時の1日に2回、通常業務の合間に目視で読み取りに行き、手書きで記入してファイルで管理していました。また月に1回、温度計のデータをアウトプットして整理するという作業もありましたので、治験薬温度管理にかかる手間は大きな課題でした。

豊岡さん
豊岡さん

長谷川さん 解決策を模索していたタイミングで、東邦薬品さんに「オントレイシス クラウド」をご提案いただきました。パンフレットをいただいてセンター内のCRC※3にも意見を聞いてみたところ、導入に前向きな意見がほとんどで、改めて詳しくお話を聞いた後、デモンストレーションを実施していただきました。

※3 「Clinical Research Coordinator」 臨床研究のコーディネーターのこと
長谷川さん
長谷川さん
提案までの経緯を教えてください。

多忙な先生が温度チェックのために保管庫を訪れているのを見て
「オントレイシス クラウド」を提案しました。

東邦薬品 上曽さん 東邦薬品では、医薬品などの卸売事業を基盤に、医療機関の業務効率化に貢献する顧客支援システムの開発・提供、開業支援や経営コンサルティングなど、医療全般にわたるトータルサポートを展開していますが、その一環として2020年よりTOPPANエッジさんの「オントレイシス クラウド」を病院の医薬品保管庫の温度管理ソリューションとして取り扱っています。

兵庫医科大学病院臨床研究支援センター様にも、かねてより治験薬をはじめ、さまざまな製品を納めさせていただいていたのですが、ある日納品のため治験薬保管室にいる時に、お忙しいはずの先生が温度チェックのために入室して来られ、保管庫のガラス越しに1台1台温度チェックをしているのを目の当たりにして、「オントレイシス クラウド」を提案することにしたのです。

東邦薬品 上曽さん
東邦薬品 上曽さん
実際の運用を経て感じた効果はいかがですか?

クラウドデータ化により依頼者様にも大きなメリットがありました。

豊岡さん その後導入まではスピーディーに進行し、ご提案をいただいてから数カ月後には稼働を開始しました。「オントレイシス クラウド」を導入して大きなメリットと感じたのは、やはり必要な時に必要なデータにアクセスできるようになったことですね。以前は月ごとの煩雑なデータ整理を経なければ得られなかったデータが、クラウドで一元管理できるようになりました。

小西さん 以前は、製薬メーカー様など、治験の依頼者様からこうしたデータが欲しいとリクエストがある度に、CRCがそのデータを抽出して依頼者様にお渡しする、というワークフローだったのですが、「オントレイシス クラウド」導入後はクラウド上のデータを共有することで、依頼者様ご自身が欲しいデータを得ることができるようになりました。センター内の治験薬温度管理を「オントレイシス クラウド」に統一していくことで、製薬メーカー様ごと、治験ごとにまちまちだった管理がひとつの形に集約できつつありますし、依頼者様にとってもタイムリーにきめ細かいデータが取得できることのメリットは大きいと思います。

小西さん
小西さん

温度逸脱時にはメールで即時アラートがくるので、
廃棄リスクも低減しました。

長谷川さん 以前は、例えば始業時の温度チェックの後、日中に温度逸脱があっても、終業時の目視チェックのタイミングで温度が設定範囲内に戻っていた場合には、温度計の小さなアラートマークを見逃してしまうと逸脱があったことに気づけなかったのでチェックにも神経をつかいましたが、「オントレイシス クラウド」ではもし逸脱があっても即時にアラートメールで通知がきますので、医薬品の廃棄リスクも低減しています。

治験薬保管室内に並ぶ10台の冷蔵保管庫
治験薬保管室内に並ぶ10台の冷蔵保管庫
それぞれの冷蔵保管庫に2台ずつ「オントレイシス タグ」が設置されています
それぞれの冷蔵保管庫に2台ずつ「オントレイシス タグ」が設置されています
「オントレイシス タグ」から発信された温度データは、ゲートウェイを経て「オントレイシス クラウド」へ送られます
「オントレイシス タグ」から発信された温度データは、ゲートウェイを経て「オントレイシス クラウド」へ送られます
今後に向けての要望をお聞かせください。

小城さん 今回は急ピッチでの導入だったこともあり、機器についての専門用語や機器の校正※4などについては導入過程の中で自分で調べながら進めたところもありましたので、色々と気づきもありました。そうしたユーザー側の所感もTOPPANエッジさん、東邦薬品さんと共有していくことで「オントレイシス クラウド」が臨床研究支援センターの職員にも依頼者様にもより有益なソリューションとして成長していくことを期待しています。

※4 計測器の現状(精度・機能・動作)を確認すること
小城さん
小城さん


今回の兵庫医科大学病院 臨床研究支援センターへの訪問とインタビューでは「オントレイシス タグ」の二つの温度センサーの使い分け方など実際の現場でのさまざまな工夫を拝見することができました。
また依頼者様に対しての「オントレイシス クラウド」の提案資料なども見せていただき、多くの気づきを得ることができました。TOPPANエッジと東邦薬品では、今回いただいた貴重な知見やご意見をさらなるサービスの向上につなげてまいります。

※所属・役職、本事例の内容は執筆当時のものです。
※本製品の仕様は予告無く変更することがございます。あらかじめご了承ください。
※記載された製品名などは、各社の登録商標あるいは商標です。

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